コラム  ---交通安全のポイント
追突事故を起こさないためのポイント



運転している人なら運転中に「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたこと
(ヒヤリ・ハット体験)が何度かあると思いますが、
なかでも多いのが前車に追突しそうになった経験ではないでしょうか。
そこで追突事故を起こさないためのポイントをまとめてみました。


1 追突事故はこのようなとき起こる


平成24年における全国の類型別交通事故発生件数をみると、
追突事故が34.8%で最も多く、全体の3分の1を 占めており、
次いで出会い頭事故、人対車両事故の順と なっています(図1)。  



追突事故のパターンには、さまざまなものがありますが、
比較的よく発生する追突事故パターンをまとめてみると、 次のようになります。

カーブでは、車を外側へ引っ張ろうとする遠心力が働 きます。
遠心力は、スピードが速いほど大きくなりますから、
スピードを出し過ぎるとカーブを曲がりきれずに、 ガードレールなどに衝突したり、
対向車線にはみ出して対向車と衝突するといった事故を招きます。
カーブを安全走行するためには、その手前で十分にスピードを落としておくことが大切です。

また、先行車があるときは先行車のカーブ直前での減速を予測して、
車間距離も十分に確保しておきましょう。  
なお、カーブでは車線を守りセンターラインをはみ出 さないようにしなければ
なりませんが、センターラインのない場所では、
キープレフトの原則に従って、車線の左側を走行しましょう。


交差点を通過するとき
  ・黄信号にさしかかった前車が停止して追突(図2@)
  ・対向右折車のため前車が停止して追突(図3A)
  ・交差点を右折した前車が対向車のため停止して追突
   (図3B)
  ・交差点を直進した前車が横断歩行者等のため停止して
   追突(図4C) 
  ・交差点を左折した前車が横断歩行者等のため停止して
   追突(図4D)
  ・交差点を右左折したところ、右左折先の駐車車両に
   追突(図4E)
  ・信号が青に変わり発進したところ、まだ発進してい
   なかった前車に追突
●単路を走行しているとき
  ・前車のタクシーが客を乗せるために急停止して追突
  ・トンネル入口で急減速した前車に追突
  ・道路外から自車の前方に進入してきた前車に追突
●高速道路を走行しているとき
  ・ETCの入口ゲートで急停止した前車に追突
  ・見通しの悪いカーブの先の渋滞車両に追突
  ・渋滞に巻き込まれ、ノロノロ運転で漫然運転となり
   追突
●その他の状況
  ・雨や雪でスリップして追突
  ・夜間運転で前車との車間距離が詰まって追突
  ・早朝や長距離運転で居眠り運転となり追突

追突事故はこうして防ごう


十分な車間距離をとる


前車が急停止しても、十分な車間距離をとっていれば追突を防ぐことができます。

車間距離の目安としては、高速 道路の場合、時速の数字を距離に置き換えた数値(時速80kmであれば80m)、一般道路では時速の数字から15を引 いた数値(時速60kmであれば「60-15」で45m)と考えるとよいでしょう。

また、前車が通過した地点を自車が通過す るまで2〜3秒の間隔をとる「車間時間」を目安にする方法もあります。


わき見、漫然運転をしない


車間距離が十分であってもわき見は追突の危険を高めます。運転中は決してわき見をしないようにしましょう。ま た、低速で前車に追走しているときなどには、漫然運転になってしまい、前車の停止に気づくのが遅れて追突するこ ともあります。低速走行でも油断しないように注意しましょう。


「だろう運転」をしない



前方の信号が黄色に変わったとき、「前車は停止せずに交差点を通過するだろう」とか、単路の走行時に「前車が 急に減速したり停止することはないだろう」といった自分に都合のよい「だろう運転」はせず、常に「前車は減速や 停止をするかもしれない」と考えて運転しましょう。





前車の先の状況にも気を配る



対向右折車や横断歩行者のため、前車が急停止することもあります。前車だけでなく、その先の状況にも気を配り、前車の停止を早めに予測しましょう。







前車の発進を確認して発進する


交差点での発進時に、信号だけを確認して発進したり、隣の車線の車が発進したのでそれにつられて発進すると、 まだ、発進していない前車に追突することがあります。発進時には、必ず前車が発進したかどうかを確認しましょう。


路面や心身状態に注意する


雨で濡れた路面など停止距離が伸びる状況では、いつも以上に車間距離をとり、スピードを抑えた運転をしましょう。また、疲労や寝不足で集中力が低下しやすい長距離運転では、こまめに休憩をとるようにしましょう。